「【最終通知】東京電力(TEPCO)未払い料金のお支払いのお願い」は詐欺メール|電力会社を装う偽の督促メールの見分け方

この記事のまとめ
「【最終通知】東京電力(TEPCO)未払い料金のお支払いのお願い」という偽メールが確認されています。電気を止められる不安につけ込む手口の実例、本物との見分け方、対処法を解説します。
実際に確認されている偽メール
【最終通知】東京電力(TEPCO)未払い料金のお支払いのお願い 番号:****
本文はこう書かれています。
【東京電力EP】電気料金のお支払いのお願い いつもご利用ありがとうございます。下記料金のご入金が確認できておりません。サービスの継続のため、早急な決済をお願いいたします。 請求内容:2026年6月分電気料金/請求金額:◯◯円(税込)/お支払期限:2026-07-03 お手数ですが、下記リンクよりお支払い方法(クレジットカード、コンビニ、銀行振込等)を選択し、お手続きをお願いいたします。
「≫お支払い手続き画面へ(公式サイト)」というボタンで偽サイトへ誘導します。
なお、同じ東京電力を装う型として「【TEPCO】ポイント交換おすすめ商品のご案内」(2026年8月6日/くらしTEPCOポイントの失効を口実にする型)も確認されています。「未払い」と「ポイント失効」の両面から狙われています。
9月に確認された件名:「給電停止予告」
【要対応】電気料金未払いによる給電停止予告のお知らせ(お支払期限:2026年9月11日****)
(東京電力エナジーパートナーを装う/2026年9月11日)
「未払い」から一歩進んで、電気を止める日時を名指しする型です。本文は次のとおりです。
ご指定のクレジットカード(末尾4桁:****)による2026年8月分電気料金のお支払いにおきまして、決済エラーが発生いたしました。 ・給電停止予定日時:2026年9月11日(金)23時00分(JST) 2026年9月11日(金)までにお支払いの確認が取れない場合、誠に遺憾ながら「電気供給約款」第◯条の規定に基づき、対象物件への給電を停止させていただきます。 お手数ですが、以下の専用決済ポータルより至急お支払い手続きを行ってください。 ※本決済ポータルは、WindowsDefenderセキュリティ証明書(TLS1.3)による暗号化通信を必須としております。
この件名は、時刻まで入った形でも配信されています。
【要対応】電気料金未払いによる給電停止予告のお知らせ(お支払期限:2026年9月11日 23:00)
「23:00」という分刻みの指定は、本物らしさを出すためのものです。しかし本物の電力会社が、供給停止の予告をメールで、しかも時刻指定で送ることはありません。
決定的な矛盾:「Windows Defender セキュリティ証明書」は存在しません
末尾の但し書きに注目してください。
※本決済ポータルは、WindowsDefenderセキュリティ証明書(TLS1.3)による暗号化通信を必須としております。
Windows Defender は、Windows に付属するウイルス対策ソフトです。ウェブサイトの暗号化証明書を発行する機関ではありません。 「Windows Defender の証明書」というものは存在しません。
TLS1.3 という本物の用語と並べることで、詳しくない人に「なんだか安全そうだ」と思わせる狙いです。専門用語が並んでいることは、安全の証拠になりません。
そもそも、電力会社が支払いページの暗号化方式をメールで説明することはありません。 わざわざ書いてあること自体が不自然です。
そのほかの手がかり
- **「電気供給約款 第◯条の規定に基づき」**と書きながら、条数が空欄です
- 請求金額が「円(税込)」と数字が抜けています
- お客様番号も空欄です
- 「2026年9月10日22:00以降にお支払い手続きを完了された場合は、行き違いにつき本メールを破棄してください」という本物にありがちな但し書きまで複製されています
本当に給電停止になる場合、電力会社は書面(郵送)で予告します。 メール1通とリンクだけで止めることはありません。
9月末:「未納」と「決済の確認」、2つの入口が並びました
【重要】電気料金未納および決済情報再認証のお願い*****
(2026年9月29日)
従来どおりの督促型です。言い回しが一段きつくなりました。
ご登録の決済方法による認証処理が完了しなかったため、電気料金のご請求が未納となっております。 所定期日までにお支払いが確認できない場合、送電停止(電気の供給停止)の手続きとなりますのでご注意ください。
「給電停止」から「送電停止」に変わりましたが、脅し方は同じです。
翌日は、脅さない型が来ました
【くらしTEPCO web】クレジットカード決済のご確認
(2026年9月30日)
こちらは未納と言いません。**「これから引き落とします。内容を確認してください」**という形です。
【決済内容】 ・対象月:2026年9月分 ・決済予定日:2026年10月2日(本メール受信後3日以内) ・決済金額:*****円(税込) ・状態:ご確認待ち
注目してほしいのは「決済予定日:2026年10月2日(本メール受信後3日以内)」です。
10月2日という日付と、「受信後3日以内」という相対的な表現が並んでいます。どちらが本当の予定日なのか決まりません。
本物の引き落とし予定日は、受け取った日によって動いたりしません。契約で決まった日です。
脅されないほうが、かえって危ない
「止まります」と言われれば身構えます。「確認してください」と言われると、身構えません。
しかしリンク先でやらされることは同じです。この型は末尾でこう書いています。
内容に誤りがある場合、またはカード情報の更新が必要な場合は、下記よりお手続きをお願いいたします。
電気料金の案内でカード情報の更新を求められたら、メールを閉じてください。 くらしTEPCO web を自分で開けば、本当に手続きが要るかどうかが分かります。
なぜ電気料金の督促が効くのか
電気は生活に直結するインフラです。「止められる」と言われれば、内容を精査するより先に支払おうとしてしまいます。
さらに、電気料金は毎月変動し、燃料費調整や再エネ賦課金などで金額が上下します。「今月は高いな」という感覚が普段からあるため、身に覚えのない請求額でも疑いにくいという事情もあります。
猛暑や厳冬で電気代が跳ね上がる時期は、この手口が特に増えます。
本物との見分け方
- 電力会社が、メールのリンクからクレジットカード情報を入力させて「未払い料金」を回収することは通常ありません。
- 本物の督促は、まず検針票や郵送の書面、または契約している会社の公式マイページで確認できます。
- 契約している電力会社の名前と、メールの差出人が一致しているか確認します(引っ越しや乗り換えで契約先が変わっていることもあります)。
- 「最終通知」「早急に」「サービス停止」と過度に急かす。
- 送信元アドレスやリンク先URLが、公式ドメイン(東京電力エナジーパートナーなら
tepco.co.jp)と違う。
正しい確認方法
契約している電力会社の公式アプリ、または自分でブックマーク・検索から開いた公式サイトのマイページにログインして、請求状況と入金状況を確認してください。
不安が残るときは、検針票や契約書類に記載された電話番号に自分から問い合わせます。メールに書かれた番号やリンクは使いません。
実際に電気の使用停止が予定される場合、正規の手続きでは事前に書面での通知があります。メール1通だけで即座に止まることはありません。
そのほかの注意:訪問・電話の勧誘とは別物です
「電気料金が安くなる」という電話や訪問の勧誘トラブルも別途増えていますが、あれは契約の乗り換えをめぐる問題で、今回の偽メールとは手口が異なります。あわせて注意してください(光回線・電気料金「安くなる」電話勧誘トラブルの見分け方)。
もし支払ってしまったら
カード情報を入力した場合は、すぐにカード会社に連絡して利用停止・再発行を依頼し、不正利用がないか明細を確認してください。銀行振込をしてしまった場合は、振込先と自分の銀行の両方に連絡し、組戻しや口座凍結を相談します。
あわせて、警察相談ダイヤル:#9110、消費者ホットライン 188 に相談してください。
「これって詐欺?」で30秒チェック
- 選択式で30秒チェック
- スクショアップロードで詳細判定
- 完全無料・登録不要
困ったときの相談窓口
- 警察相談ダイヤル:#9110(平日8:30〜17:15・通話料有料)
- 消費者ホットライン 188(最寄りの消費生活センターへ)
- 契約している電力会社の公式窓口(検針票記載の番号へ)
進行中の被害・緊急時は 110番(警察)へ。
参考情報・公的情報源
編集部
警察庁・国民生活センターの公表情報をもとに、最新の詐欺手口を発信しています。


