「<自動配信>ETCポイント残高と還元手続きのご案内」は詐欺メール|ETC利用照会サービスを装う偽メールの見分け方

この記事のまとめ
「<自動配信>ETCポイント残高と還元手続きのご案内」「【至急ご確認】クレジットカード情報更新未完了に伴うETCサービス一時停止のご案内」という偽メールが確認されています。実例と見分け方を解説します。
実際に確認されている偽メール
型1:ポイント還元を装う
<自動配信>ETCポイント残高と還元手続きのご案内-****
(2026年7月31日に注意喚起)
お客様のアカウントにおいて、通行料金のお支払いに充当可能な「未交換の特典残高」が保留されていることが判明いたしました ・特典残高:◯◯pt/割引予定額:◯◯円分 ※保護プロトコルにより、本ご案内は発行から**【24時間】で無効**となります。
型2:カード情報の更新を装う
【至急ご確認】クレジットカード情報更新未完了に伴うETCサービス一時停止のご案内 #****
(2026年8月7日に注意喚起)
「【重要】支払情報の変更を確認してください」
(2026年9月4日に注意喚起)
お客様のクレジットカード情報が長期間にわたり更新されておりませんため、自動引き落としの承認有効期限が終了いたしました。これに伴い、ETCサービスの利用を一時停止させていただきました。
「得をする話(ポイント還元)」と「困る話(利用停止)」の両方から、同じ偽サイトへ誘導しています。
型3:利用明細の発行を装う(2026年9月18日)
【ETC利用照会サービス】利用明細発行のお知らせ
件名をよく見てください。「ETC」の3文字のうち、「E」だけが全角、「TC」は半角です。
【ETC利用照会サービス】
並べると横幅が揃っていません。本物なら「ETC」と3文字とも半角で書きます。
なぜ1文字だけなのか。 迷惑メールフィルターが「ETC」という3文字の並びを検知するのを避けるには、1文字変えるだけで足りるからです。最小限の改変で検知をすり抜けるやり方です。
本文は、これまでの型よりずっと自然です。
○○様のご登録ETCカードにつきまして、利用明細が発行されましたのでお知らせいたします。 【発行日】2026年9月17日/【対象カード】ETCカード(末尾)/【対象期間】2026年9月1日〜2026年9月15日 下記URLよりログインのうえ、「利用明細の発行・表示」からご確認ください。
決定的な矛盾:本物の注意書きを載せながら、ログインさせようとしています
その本文には、次の一文が含まれています。
※当サービスでは、利用者ID・パスワードをメールでお送りすることや、メールでの入力をお願いすることはございません。
この注意書き自体は、まったく正しい内容です。 ETC利用照会サービスが実際に案内している文言でもあります。
ところが同じメールが、その数行上でこう書いています。
下記URLよりログインのうえ、「利用明細の発行・表示」からご確認ください。 ※明細の閲覧には「利用者ID」と「パスワード」が必要です。
「メールでの入力はお願いしません」と書きながら、メールのリンクからIDとパスワードを入力させようとしている。 自分で自分を否定しています。
同じ自己矛盾は、ゆうちょ銀行を装う偽メール(「ゆうちょ銀行がパスワードをお尋ねすることはございません」と書きながらログイン画面へ誘導)でも確認されています。本物の注意書きを「本物らしく見せる部品」としてコピーした結果です。
メールに書かれた「安全です」「パスワードは聞きません」という自己申告には、何の効力もありません。
「お心当たりのない明細」という逃げ道
もう1点、末尾にこう書かれています。
※お心当たりのない明細が表示された場合は、カードの不正利用の可能性がございます。カード発行会社へご連絡ください。
**「身に覚えがなければ不正利用かもしれない」**と言われると、確かめたくなります。まずログインさせるための一押しです。
利用明細を確認したいときは、ETC利用照会サービスの公式サイトを自分で開いてログインしてください。 メールのリンクを経由する必要はありません。
型4:返金を装い、振込先の口座を聞いてきます(2026年9月24日・25日)
【重要】ETC利用照会サービス:ご返金に関するお知らせ
(2026年9月24日)
<重要>ETCご利用料金のご返金手続きについて(期限間近)
(2026年9月25日)
2日続けて、**「払いすぎた料金を返します」**という型が確認されています。本文はほぼ同じです。
先日、通行料金のデータ集計において一部重複請求が発生していることが判明いたしました。つきましては、対象期間中の過剰ご請求分に関するご返金のお手続きをご案内いたします。 ご返金額 *****円 受付期限 2026年09月26日23:59まで
「返します」と言われると、疑う理由が見つかりません。 自分に落ち度がなく、相手が謝ってきている形です。
この型は、はっきり口座を聞いてきます
9月24日版のボタンは、これです。
返金受取口座を指定する
銀行口座の情報を直接求めています。
同じ「ETC」で「返金」を名乗る偽メールでも、ETCマイレージサービスを装う型(9月16日)は振込先を一度も聞かず、ログインだけを求めていました。 この型は、そこから一歩踏み込んでいます。
「返金」の入口は同じでも、取ろうとしているものが変わりました。 カード情報でもログイン情報でもなく、口座そのものです。
2通を並べると、雛形の継ぎ目が見えます
ほぼ同一の本文ですが、末尾の著作権表示だけが別物です。
| 9月24日 | 9月25日 | |
|---|---|---|
| 受付期限 | 2026年09月26日23:59まで | 2026年09月27日終日まで |
| 手続きの入口 | 返金受取口座を指定する | ご返金手続き専用ページ |
| 末尾の著作権表示 | NEXCO東日本・中日本・西日本・本州四国連絡高速道路の4社連名(2005年) | ETC Usage Enquiry Service |
9月24日版は、実在する高速道路会社4社の連名表記をそのまま流用しています。2005年という古い年号まで一緒です。本物らしく見せるための部品を、まるごとコピーしています。
一方の9月25日版は、その連名をやめて「ETC Usage Enquiry Service」という自称だけになりました。同じ送り主が、1日で末尾を書き換えています。
本物らしい著作権表示があっても、それは何の保証にもなりません。 コピーできるものは、すべてコピーされます。
「明細は専用ページでしかお見せできません」という囲い込み
9月25日版には、こんな一文が加わりました。
お客様のプライバシー保護および情報セキュリティの観点から、ご利用明細等の詳細は専用ページでのみ開示しております。
「安全のために、詳しいことはこのリンク先でしか見せません」――理由をプライバシー保護にすり替えて、リンクを踏むしかない状況を作っています。
本物なら、自分で公式サイトを開いても同じ情報が見られます。「ここでしか見られない」と言われたら、それが手がかりです。
返金の話が来たときの確認方法
- メールのリンクとボタンは押さない
- ETC利用照会サービスの公式サイトを、自分でブックマークまたは検索から開く
- ログインして、返金や重複請求の案内が出ているかを確認する
- 出ていなければ、そのメールは無視して構いません
そして原則をひとつ。公的な料金の返金で、メールから口座番号を入力させることはありません。
この手口の特徴
「還元」「割引」という得の演出
ポイント失効型は「損をする」不安をあおりますが、この型は逆に**「受け取れるお金がある」**と持ちかけます。「割引予定額:◯◯円分」と具体的な金額が示されると、手続きしないと損だと感じてしまいます。
しかも「外部口座等への出金には対応しておりません」と、あえて制約を書くことで本物らしさを演出しています。
24時間という異常な期限
「発行から24時間で無効」というのは、考える時間も、家族に相談する時間も与えないための設定です。正規のポイント制度で、案内メールが24時間で無効になることはありません。
ETCはカード情報と直結している
ETCカードはクレジットカードに紐づいているため、偽サイトでカード情報を入力すると、そのままカードの不正利用につながります。 高速道路の料金という日常的な話題から、いきなり金銭被害に直結するのがこの手口の危険なところです。
本物との見分け方
- ETC利用照会サービスや高速道路会社が、メールのリンクからカード情報の入力を求めることはありません。
- ETC利用照会サービスの公式サイトは
etc-meisai.jp、ETCマイレージサービスはsmile-etc.jpです。リンク先が違えば偽サイトです。 - ETCの利用明細や割引は、クレジットカードの利用明細でも確認できます。
- 「24時間で無効」「至急」と極端に急かす。
- 差出人が「ETC」「NEXCO」を名乗っていても、表示名は偽装できます。
正しい確認方法
ポイントや利用明細は、**自分でブックマーク・検索から開いた公式サイト(ETC利用照会サービス/ETCマイレージサービス)**にログインして確認してください。メールのリンクは使いません。
なお、ETCの割引やポイント(ETCマイレージサービス)は実在する制度です。「そんな制度は知らない」ではなく、「確認は必ず公式サイトから」というルールで対処するのが確実です。
もし入力してしまったら
すぐにカード会社に連絡して、カードの利用停止・再発行を依頼してください(カード裏面または公式サイトの番号へ)。ETCカードは車載器に挿したままのことが多いため、再発行までの取り扱いも合わせて確認しておくと安心です。
利用明細に身に覚えのない請求がないか確認し、あれば申告します。不安なときは、警察相談ダイヤル:#9110、消費者ホットライン 188 へ。
「これって詐欺?」で30秒チェック
- 選択式で30秒チェック
- スクショアップロードで詳細判定
- 完全無料・登録不要
困ったときの相談窓口
- 警察相談ダイヤル:#9110(平日8:30〜17:15・通話料有料)
- 消費者ホットライン 188(最寄りの消費生活センターへ)
- クレジットカード会社の公式サポート窓口(カード裏面の番号へ)
進行中の被害・緊急時は 110番(警察)へ。
参考情報・公的情報源
編集部
警察庁・国民生活センターの公表情報をもとに、最新の詐欺手口を発信しています。


