ヤマト・佐川を装った不在通知SMS詐欺の見分け方|手口と対処法

この記事のまとめ
「お届けにあがりましたが不在のため持ち帰りました」というSMSの大半は詐欺です。ヤマト運輸・佐川急便を装ったSMSの典型的な手口、危険を見抜く7つのサイン、被害にあったときの対処法を解説します。
「お届けにあがりましたが不在のため持ち帰りました。再配達はこちらから→」――こんなSMSが届いたら、9割は詐欺です。
宅配業者を装った不在通知SMSは、Amazonや楽天をよく利用する世代を狙った詐欺で、被害件数は年間数万件にのぼります。本記事では、ヤマト運輸・佐川急便・日本郵便を装った詐欺SMSの典型例、見分けるための7つのサイン、被害にあったときの対処法を解説します。
こんな連絡が来たら要注意(実例3つ)
実例1:ヤマト運輸を装う
【ヤマト運輸】お届けに上がりましたが不在のため持ち帰りました。下記URLから再配達のお手続きをお願いします。 yamato-cnf[.]xxx[.]com
実例2:佐川急便を装う
佐川急便です。荷物のお届けに伺いましたが不在でした。再配達のご希望は下記アプリよりご登録ください。 sagawa-redelivery[.]xxx[.]net
実例3:日本郵便を装う
【日本郵便】重要なお知らせ:お荷物のお届け予定日変更があります。確認はこちら。 post-jp[.]xxx[.]click
これらはすべて詐欺SMSの典型例です。本物の宅配業者は不在通知SMSをこのような形で送ることはほぼありません。
2026年に確認されている最新の件名(メール型)
近年はSMSだけでなく、メールでも同じ手口が大量に送られています。迷惑メール相談センターで実際に確認された件名は次のとおりです。
- 「【ヤマト運輸】ご住所不明のため再配達のご依頼をお願いいたします」(2026年8月6日)
- 「ご住所不明のため再配達のご依頼をお願いいたします」(ヤマト運輸を装う/2026年8月14日・社名を外した型)
- 「【重要】お荷物のお届け先不明による再配達手続きのお願い」(ヤマト運輸を装う/2026年9月4日)
- 「【確認待】ご不在のためお荷物 をお預けしました」(Amazonを装う/2026年8月13日)
- 「お荷物お届けのお知らせ【受け取りの日時や場所をご指定ください】」(ヤマト運輸を装う/2026年7月17日)
- 「【佐川急便】再配達のご案内」(2026年7月16日)
- 「お届け予定のお荷物情報」(佐川急便を装う/2026年7月17日)
- 「【再配達】お受け取り準備の お願い」(Amazonを装う/2026年7月30日)
- 「「お荷物に関する重要なお知らせ」」(日本郵便を装う/2026年7月16日)
- 「【ヤマト配送】お届けeメール【不在連絡】」(ヤマト運輸を装う/2026年9月9日)
- 「本日、お荷物をお届けいたします #*****」(ヤマト運輸を装う/2026年9月7日)
- 「【重要】 荷物のお届け情報確認のお願い」(佐川急便を装う/2026年9月7日)
新しい切り口:「ご住所不明」型
従来は「不在だったので持ち帰りました」が定番でしたが、2026年8月に確認された型は 「ご住所が不明確のため配達が完了できませんでした」 と書き、住所の「確認・修正」を求めてきます。
お荷物の配達を試みましたが、ご住所が不明確のため配達が完了できませんでした。大変お手数ですが、配送先住所をご確認のうえ、再配達のご依頼をお願いいたします。
「不在通知は身に覚えがないと気づける」という対策が広まったため、「住所の不備」という、受け取る側に落ち度があるかのような切り口に変えてきたと考えられます。手口の入り口が変わっても、リンク先で個人情報やカード情報を盗むという狙いは同じです。
なお、ヤマト運輸はSMSでの不在通知を配信していません(同社が公式に案内しています)。皮肉なことに、偽メールの末尾にこの注意書きをそのままコピーしているものまで確認されています。
さらに新しい型:「再配達手数料」を請求してくる(2026年9月4日)
9月に入り、再配達に手数料を請求するという新しい型が確認されました。
【重要】お荷物のお届け先不明による再配達手続きのお願い
本文は次のとおりです。
重要なお知らせ:ご指定の配達先住所が不明確なため、本日をもって配達を一時中断いたしました。 現在、お荷物は最寄りの営業所にて保管(保管期限:2026年9月3日(木))となっております。このまま保管期限を過ぎますと、自動的に返品手続きへ移行いたします。 再配達をご希望の場合は、以下のリンクよりログインし、ご住所のご確認および再配達手数料のお支払いを本日中に完了させてください。 ※再配達手数料として◯◯円(税込)が別途発生いたします。
日本の宅配便で、個人向けの再配達に手数料がかかることは通常ありません。 少額(数百円程度)を提示することで「この程度なら」と支払わせ、カード情報を入力させるのが狙いです。
金額が小さいほど警戒が緩みます。「安いから確認せずに払う」が最も危険だと覚えておいてください。
さらにこの偽メールは、メールの受信日より前の日付を「保管期限」として書いていることがあります(例:9月4日に届いたのに保管期限が9月3日)。日付が矛盾していたら、その時点で偽物です。
9月9日の型:「尊敬なるヤマト運輸のユーザー様」
【ヤマト配送】お届けeメール【不在連絡】
(ヤマト運輸を装う/2026年9月9日)
本文の書き出しは、次のとおりです。
ヤマト運輸からのお知らせ 尊敬なるヤマト運輸のユーザー様 本日、お客様宛てのお荷物をお届けに参りましたが、誠に残念ながらご不在でした。お客様の大切なお荷物は、安全に最寄りの営業所にてお預かりしております。 配送詳細 ・保管期限:2026-09-09営業終了まで ・サービス:宅急便 ご注意:保管期限の延長はできませんので、ご了承ください。 再配達のご案内 (中略)3.再配達には円の費用が発生します。 注:24時間以内にご返信がない場合は、発送元に返送されます。
「尊敬なるヤマト運輸のユーザー様」 ――日本語として不自然な呼びかけです。日本の企業が顧客に対してこの言い回しを使うことはありません。中国語の「尊敬的◯◯用户」をそのまま訳したような表現です。
生成AIによって詐欺メールの日本語は流暢になりましたが、冒頭の呼びかけや敬称は、いまだにほころびが出やすい場所です。ここだけは目を通す価値があります。
そして、ここでも金額が空欄です。
再配達には円の費用が発生します。
数字が抜け落ち、「円」だけが残っています。前述の「再配達手数料」型と同じく、個人向けの再配達に手数料はかからないうえに、その金額すら書かれていません。
もう1点。「24時間以内にご返信がない場合は、発送元に返送されます」とありますが、メールの本文には返信を求める案内がなく、押させたいのは「再配達を申し込む」ボタンだけです。話の筋が通っていません。
不在通知SMS詐欺の典型的な手口
詐欺グループは、おもに3つのパターンで宅配SMS詐欺を仕掛けてきます。
パターン1:偽サイトへの誘導
SMSのURLをタップすると、宅配業者の偽サイトに飛ばされます。「お届け先住所を確認してください」「クレジットカード情報を入力してください」など、個人情報やカード情報を入力させて盗みます。
パターン2:不正アプリのインストール
URLをタップするとAndroid端末向けのアプリ(.apkファイル)がダウンロードされ、インストールを求められます。このアプリは個人情報を抜き取るだけでなく、勝手に電話帳の連絡先に同じ詐欺SMSを送りつけたりします。被害が一気に拡散する仕組みです。
パターン3:Apple ID / Google アカウントの窃取
「セキュリティ確認のためログインしてください」とApple IDやGoogleアカウントの偽ログインページに誘導。アカウントを乗っ取り、登録されているクレジットカードでの不正購入につなげます。
なぜ騙されてしまうのか
不在通知SMS詐欺に多くの人が引っかかってしまうのは、3つの心理的な仕組みが重なるためです。
ひとつめは心当たりの錯覚。 Amazon・楽天・メルカリで頻繁に買い物をする人ほど、「最近何か注文したかも?」と思って疑わずにタップしてしまいます。
ふたつめは緊急性。 「持ち帰りました」「再配達のお手続きを」と書かれていると、「早く対応しないと荷物が戻されてしまう」と焦り、確認の時間を惜しんでURLをタップしてしまいます。
みっつめは習慣化。 SMSでクロネコメンバーズや日本郵便から通知を受ける習慣がある人は、警戒心が低くなります。「いつもの通知だろう」と無意識にタップしてしまうのです。
危険サイン7つ(保存推奨)
以下に1つでも当てはまれば、詐欺の可能性が非常に高いです。
- SMSにURLが含まれている(公式SMSはURLを含まないか、公式ドメインのみ)
- URLのドメインが見慣れない(.xyz、.top、.clickなど)
- URLが短縮されている(bit.ly、tinyurlなど)
- アプリ(.apkファイル)のダウンロードを求められる
- クレジットカード情報・住所・電話番号などの入力を求められる
- Apple ID / Googleアカウントでのログインを求められる
- 「本日中」「再送できません」など急がせる言い回し
特に「Androidアプリのインストール(.apk)」を求められた場合は、100%詐欺です。本物の宅配業者がSMSでapkファイルを配ることはありません。
本物の宅配通知はこうなっている
本物の宅配業者の不在通知は、必ず次のいずれかの方法で行われます。
ひとつめ、自宅のポストに「ご不在連絡票」というハガキが投函されます。 SMSではなく紙の通知が基本です。
ふたつめ、公式アプリ(クロネコメンバーズ、日本郵便アプリ、佐川急便アプリ等)からの通知。 事前に登録していて、通知を有効にしている人にだけ届きます。
みっつめ、メール、LINEでの通知。 これも事前にメール通知設定をしている場合のみです。
身に覚えのないSMSでの不在通知は、ほぼ100%詐欺と判断して問題ありません。
もし被害にあったら
「URLをタップしてしまった」「個人情報を入力してしまった」――そんなときは、対応の速さが被害の大小を決めます。
即座にすべきこと
- クレジットカード会社に連絡(カードを停止)
- 警察相談ダイヤル #9110(24時間・通話料無料)
- 国民生活センター 188(消費者ホットライン)
アプリをインストールしてしまった場合
すぐに該当アプリをアンインストール。端末を機内モードにして通信を遮断し、Apple ID・Googleアカウント・銀行・SNS等のパスワードを全て変更してください。重要な情報を扱う端末の場合は、初期化も検討してください。
Apple ID / Google アカウントでログインしてしまった場合
該当アカウントのパスワードを変更し、二段階認証を有効化。不正ログイン履歴と課金履歴を確認してください。
予防のためにできる3つのこと
ひとつめ、SMSのURLは絶対にタップしない習慣をつける。 再配達確認は、自分から公式アプリや公式サイトを開いて行うようにします。SMSのURLは便利でも、危険性を考えて使わないのが安全です。
ふたつめ、Androidでは「提供元不明のアプリのインストール」を無効化する。 設定→セキュリティから確認できます。これだけでapkファイルの詐欺被害は防げます。
みっつめ、宅配業者の公式アプリのインストールやLINEでの登録をして、そちらで通知を受け取る。 クロネコメンバーズ、日本郵便アプリ、佐川急便公式アプリは、すべてApp Store / Google Playから無料でダウンロードできます。公式アプリ経由の通知だけ信用するルールにすれば、SMS詐欺に騙されることはなくなります。
「これって詐欺?」で30秒チェック
実際に怪しい連絡があったら、無料の判定ツールで確認できます。
- 選択式で30秒チェック
- スクショアップロードで詳細判定
- 完全無料・登録不要
困ったときの相談窓口
- 警察相談ダイヤル #9110(平日8:30〜17:15・通話料有料)
- 消費者ホットライン 188(最寄りの消費生活センターへ)
- 金融庁 金融サービス利用者相談室(0570-016811)
緊急時は 110番(警察)または最寄りの警察署へ。
参考情報・公的情報源
本記事は以下の公的機関・公式情報源を参考に作成しています。最新情報や詳細は各機関の公式ページをご確認ください。
編集部
警察庁・国民生活センターの公表情報をもとに、最新の詐欺手口を発信しています。

