「【重要】お客様の個人情報流出に関する緊急のお知らせとお詫び」は詐欺メール|ソフトバンクを装う偽メールの見分け方

この記事のまとめ
「【重要】お客様の個人情報流出に関する緊急のお知らせとお詫び」というソフトバンクを装う偽メールが確認されています。存在しない情報流出を騙る手口の実例、受信者のメールドメインを自動で差し込む仕組み、正しい確認方法を解説します。
「【重要】お客様の個人情報流出に関する緊急のお知らせとお詫び」――こんな件名のメールが届いても、リンクをタップしてはいけません。
実際に確認されている偽メール
総務省の委託で迷惑メールを監視する「迷惑メール相談センター」に、2026年9月8日、次の件名の偽メールが報告されています。
【重要】お客様の個人情報流出に関する緊急のお知らせとお詫び
本文は次のとおりです(実際に配信されたものをそのまま掲載します)。
softbank.ne.jpをご利用のお客様へ この度、弊社が管理するサーバーに対し外部からの不正アクセスが確認され、お客様の個人情報が外部へ流出した可能性があることが判明いたしました。多大なるご迷惑とご心配をおかけしますことを、深くお詫び申し上げます。 流出した可能性がある情報:・氏名、ご住所、電話番号/・メールアドレスおよびログインパスワード/・クレジットカード情報の一部 現在、二次被害(不正利用やアカウントの乗っ取り)を防ぐため、システム側で一時的にアカウントを制限しております。お客様ご自身で直ちにパスワードの再設定と本人確認を行っていただく必要がございます。 ▼個人情報保護・アカウント復旧専用ページ ※本手続きを本日中に行っていただけない場合、お客様の資産保護のため、アカウントを完全に削除せざるを得ない場合がございます。 ※すでに身に覚えのない請求が来ている場合は、速やかに上記ページより被害報告を行ってください。 softbank.ne.jpセキュリティ管理センター 公式サポート:softbank.ne.jp
決定的な矛盾1:「softbank.ne.jp」は部署の名前ではありません
末尾の差出人を見てください。
softbank.ne.jpセキュリティ管理センター
「softbank.ne.jp」はメールアドレスのドメインであって、会社名でも部署名でもありません。 携帯メールのアドレスの「@」より後ろの部分です。
これは「gmail.comセキュリティ管理センター」と名乗るようなもので、日本語として成立していません。同様に「公式サポート:softbank.ne.jp」という書き方も、サポート窓口の案内になっていません。
本物のソフトバンクからの重要なお知らせであれば、**「ソフトバンク株式会社」**と社名で署名されます。
決定的な矛盾2:あなたのメールドメインが自動で差し込まれています
なぜ、こんな不自然な署名になるのか。答えは、この偽メールが受信者のメールドメインを自動で本文に差し込んでいるからです。
迷惑メール相談センターは、同じ型の偽メールについて次のように注記しています。
本文中のドメインは、仕様により受信者のドメインへ自動的に置き換えられます。ご注意ください。
つまり、まったく同じ雛形が、宛先のアドレスに応じて姿を変えています。
| 受信者のアドレス | 本文の書き出し |
|---|---|
| softbank.ne.jp | 「softbank.ne.jpをご利用のお客様へ」 |
| docomo.ne.jp | 「docomo.ne.jpをご利用のお客様へ」 |
| ezweb.ne.jp | 「ezweb.ne.jp利用者各位」 |
実際、2026年9月7日にはドコモを装う型(「【重要】[docomo.ne.jp]異常なサインイン検知に伴うアカウント保護のお案内」)、9月9日にはau(ezweb.ne.jp)を装う型が、それぞれ確認されています。
「自分の使っているキャリアの名前が書いてあるから本物だろう」と思わせるのが狙いです。しかしそれは、あなたのメールアドレスを見て機械が入れているだけで、あなたが誰かを知っているわけではありません。
自分のキャリア名が書いてあることは、本物である証拠にはなりません。
決定的な矛盾3:その情報流出は発表されていません
本文は「外部からの不正アクセスにより、氏名・住所・電話番号・パスワード・クレジットカード情報の一部が流出した可能性がある」と述べています。
これほど大規模な流出があれば、必ず公式サイトのプレスリリースで発表され、ニュースでも大きく報じられます。 本記事執筆時点(2026年9月9日)で、この内容に該当する発表はソフトバンクから確認できません。
確認は簡単です。ソフトバンクの公式サイトの「プレスリリース」「重要なお知らせ」を、自分で開いて見る。 そこに載っていなければ、そのメールは偽物です。
なお、ソフトバンクでは2026年1月に、プロキシーサーバーの不具合により最大8千件余りの個人情報が他の利用者に表示されうる状態になっていた、という事象が公表されています。ただしこれは外部からの不正アクセスではなく設備の不具合であり、内容も規模も、この偽メールが言っていることとは別物です。そして本物の事象のときも、利用者にメールでパスワード再設定のリンクを送ることはありませんでした。
決定的な矛盾4:本物の流出通知は、リンクを送りません
ここがいちばん大切な点です。
本当に情報流出が起きたとき、事業者は「メールのリンクからパスワードを再設定してください」とは言いません。
理由は簡単で、流出直後は偽メールが必ず出回るからです。事業者はそれを分かっているので、通知には「弊社からリンク付きのメールをお送りすることはありません」「公式アプリまたは公式サイトからお手続きください」と書きます。
「流出したのでリンクから手続きを」というメールは、その一点だけで偽物と判断して構いません。
決定的な矛盾5:「本日中でないとアカウントを削除」
※本手続きを本日中に行っていただけない場合、お客様の資産保護のため、アカウントを完全に削除せざるを得ない場合がございます。
「守るために消す」という理屈が成立していません。
そして、携帯電話事業者が、メール1通への反応がないことを理由に、契約者のアカウントを当日中に削除することはありません。回線契約に関わる重大な措置が、そんな手順で行われることはありえません。
これは考える時間を奪うための脅しです。「本日中」「24時間以内」「48時間以内」といった期限は、偽メールの共通した特徴です。
この型は繰り返し来ます
「情報流出しました→今すぐ手続きを」という便乗型は、実際に大きな流出事件が報道されるたびに増えます。
2026年8月には、KDDIのメールアドレス・パスワード約761万件の漏えいが公表され、その直後から同社を装う便乗フィッシングが確認されました。今回のソフトバンク版は、実際の事件がないのに「あったこと」にして送っている点が違いますが、受け手の心理を突く構造は同じです。
流出のニュースを見た直後は、誰でも警戒心より不安が先に立ちます。 そのタイミングを狙われます。詳しくはKDDIメール漏えいに便乗するフィッシングの記事もあわせてご覧ください。
正しい確認方法
心配になったときは、次の手順で確認してください。
- メールのリンクは押さない。 メールを閉じる。
- 契約している通信会社の公式サイトを、自分で検索するかブックマークから開く。 プレスリリース・重要なお知らせを見る。
- 公式アプリ(My SoftBank、My docomo、My au など)を、スマホのホーム画面から開く。 アカウントに制限がかかっているなら、そこでわかります。
- 本当に流出があった場合でも、やることは「自分でアプリからパスワードを変える」だけです。メールのリンクを踏む必要はありません。
高齢のご家族がいる方へ
この手口は、**「あなたのせいではないが、あなたが今すぐ動かないと損をする」**という形をとります。お詫びから入るため、警戒心が働きにくいのが特徴です。
ご家族と、次の1点を共有しておいてください。
「情報が流出しました」というメールが来たら、リンクを押さずに、まず家族に見せる。
本物であってもリンクを踏む必要はないので、「押さない」で統一しても何も失いません。 これが、この手口に対していちばん確実な守り方です。
もしリンクを開いて入力してしまったら
- 通信会社のアカウント(My SoftBank など)のパスワードを、公式アプリ・公式サイトからすぐに変更する。
- 同じパスワードを他のサービスでも使い回している場合は、それらもすべて変更する。
- クレジットカード情報を入力してしまった場合は、カード会社に連絡して利用停止・再発行を依頼する。 利用明細に身に覚えのない請求がないか確認します。
- 契約内容や決済サービスに、身に覚えのない変更や利用がないか確認する。
- 通信会社の公式サポート窓口に連絡し、状況を伝える。
不安なときは、警察相談ダイヤル:#9110、消費者ホットライン 188 に相談してください。
「これって詐欺?」で30秒チェック
「この通信会社からのメール、本物?」と迷ったら、無料の判定ツールで確認できます。
- 選択式で30秒チェック
- スクショアップロードで詳細判定
- 完全無料・登録不要
困ったときの相談窓口
- 警察相談ダイヤル:#9110(平日8:30〜17:15・通話料有料)
- 消費者ホットライン 188(最寄りの消費生活センターへ)
- 契約している通信会社の公式サポート窓口(アカウントの状態確認はこちらへ)
進行中の被害・緊急時は 110番(警察)へ。
参考情報・公的情報源
本記事は以下の公的機関・公式情報源を参考に作成しています。最新情報や詳細は各機関の公式ページをご確認ください。
編集部
警察庁・国民生活センターの公表情報をもとに、最新の詐欺手口を発信しています。


