ニセ警察詐欺の手口と見分け方|ビデオ通話・偽警察手帳で「あなたの口座が犯罪に」

この記事のまとめ
「あなた名義の口座が犯罪に使われている」と電話し、ビデオ通話で偽の警察手帳や逮捕状を見せてお金を振り込ませるニセ警察詐欺が急増。オレオレ詐欺の件数の約7割を占める主流手口の流れ、本物との見分け方、対処法を解説します。
「こちら警察です。あなた名義の口座が、マネーロンダリング(資金洗浄)事件に使われています」――突然こんな電話がかかってきたら、それはニセ警察詐欺です。
かつての「オレオレ詐欺」は息子や孫を装うものが主流でしたが、いまは警察官・検察官などをかたる「ニセ警察詐欺」が最も多い手口になっています。警察庁の公表では、オレオレ詐欺のうち件数の74.3%、被害額の86.9%をニセ警察詐欺が占めるとされ、被害は全国に広がっています。ビデオ通話や偽の身分証を使うため見破りにくいのが特徴です。
典型的な流れ
ニセ警察詐欺は、段階を踏んで相手を追い込んでいきます。
ステップ1:不安を植えつける電話
「あなたの口座が犯罪に使われている」「あなたも資金洗浄事件の容疑者だ」などと警察官を名乗って電話し、強い不安を与えます。相手の名前や部署をそれらしく名乗り、事件番号のような番号を伝えてくることもあります。
ステップ2:ビデオ通話・SNSへ誘導
「詳しくはこちらで」とLINEなどのSNSやビデオ通話へ誘導します。画面越しに、警察官の制服姿の人物が「顔写真付きの警察手帳」や「あなたの実名が入った逮捕状」を見せて、本物だと信じ込ませます。これらはすべて偽物です。
ステップ3:お金の要求
「容疑を晴らすために資金調査が必要」「一度すべてのお金を安全な口座に移してほしい」などと言い、指定口座への振込や、現金の手渡し・送付を求めます。ここで応じてしまうと、お金は戻ってきません。
なぜ信じてしまうのか
冷静なときなら疑える話でも、ニセ警察詐欺には引っかかってしまう仕組みがあります。
ひとつめは、権威への信頼。「警察」という言葉には強い信頼と緊張があり、「逆らってはいけない」という気持ちが働きます。制服や手帳を見せられると、疑う余地がないように感じてしまいます。
ふたつめは、恐怖と孤立。「あなたは容疑者だ」「これは捜査上の秘密だから誰にも言うな」と脅され、相談できない状態に追い込まれます。一人で抱え込むほど、相手のペースにはまります。
みっつめは、長時間の拘束。何時間もビデオ通話をつながせ、判断力を奪います。「監視している」と思わせ、逃げられない心理状態を作り出します。
本物の警察はこうしている(見分け方)
次のことを覚えておけば、ニセ警察詐欺はほぼ見破れます。
- 警察が、警察手帳や逮捕状を画像で送ったり、ビデオ通話で見せたりすることはありません。
- 警察が「逮捕を免れるため」「捜査のため」としてお金を要求することは絶対にありません。
- 警察が、お金を「安全な口座に移せ」「振り込め」と指示することはありません。
- 警察がSNSやビデオ通話で捜査上のやり取りをすることはありません。
- 「誰にも言うな」と口止めするのは、詐欺のサインです。
1つでも当てはまれば、それは詐欺です。電話を切って構いません。
こんな言葉が出たら詐欺を疑う
「あなたの口座が犯罪に使われている」「あなたも容疑者」「資金洗浄」「逮捕状が出ている」「捜査に協力を」「お金を安全な口座に移して」「このことは他言しないで」――これらはニセ警察詐欺の常套句です。一つでも出てきたら、いったん電話を切りましょう。
もし電話を受けたら・被害にあったら
まず、その場でお金の話に応じない。振り込まない、現金を渡さない、口座番号や暗証番号を教えない。相手が何を言っても、いったん電話を切って大丈夫です。
次に、自分から本物の窓口に確認する。相手が名乗った警察署に、公式サイトに載っている代表番号(相手が伝えてきた番号ではなく)へ自分でかけ直して確認します。不安なときは、警察相談ダイヤル #9110 に相談してください。
すでにお金を振り込んでしまった場合は、すぐに振込先・自分の銀行の両方に連絡し、口座凍結や組戻しを依頼します。あわせて警察(#9110、緊急時は110番)に相談してください。早い連絡ほど、被害を止められる可能性が高まります。
「これって詐欺?」で30秒チェック
「この電話、本物の警察?」と迷ったら、無料の判定ツールで確認できます。URLがない電話の詐欺も、項目を選ぶだけで判定できます。
- 選択式で30秒チェック
- 完全無料・登録不要
- 電話・訪問など、URLがない連絡にも対応
困ったときの相談窓口
- 警察相談ダイヤル:#9110(平日8:30〜17:15・通話料有料)
- 消費者ホットライン 188(最寄りの消費生活センターへ)
進行中の被害・緊急時は 110番(警察)へ。
参考情報・公的情報源
本記事は以下の公的機関・公式情報源を参考に作成しています。最新情報や詳細は各機関の公式ページをご確認ください。
編集部
警察庁・国民生活センターの公表情報をもとに、最新の詐欺手口を発信しています。

