サポート詐欺(PC画面警告)の見分け方と対処法|Microsoft・Apple装い

この記事のまとめ
「ウイルスに感染しています」「Microsoftです、今すぐ電話を」――PC画面に突然出る警告は、ほぼ100%がサポート詐欺です。手口、見分け方、被害にあったときの対処法を解説します。
「お使いのパソコンがウイルスに感染しました。今すぐマイクロソフトサポート(0120-XXX-XXX)にお電話ください」――パソコンの画面に突然このような警告と警告音が表示されたら、サポート詐欺です。
サポート詐欺は、パソコンに不慣れな高齢者を中心に被害が拡大しており、1件あたり数万〜数十万円の被害が出るケースも珍しくありません。本記事では、典型的な手口、危険を見抜く7つのサイン、被害にあったときの対処法を解説します。
こんな画面が出たら要注意(実例3つ)
実例1:「ウイルス感染」警告画面
⚠️ 重大な警告 ⚠️ お使いのコンピューターはウイルスに感染しました。 重要な個人情報が漏洩する危険があります。 今すぐマイクロソフトサポートにお電話ください:0120-XXX-XXX (けたたましい警告音とともに表示される)
実例2:偽 Microsoft / Apple サポート
あなたのアカウントが侵害されました。 セキュリティの専門家がサポートします。 下記の番号にお電話を。または「サポートに接続」を押してください。
実例3:偽 Windows Defender 画面
Windows Defender からの警告: あなたのコンピューターは脅威にさらされています。 修復のため Microsoft 認定サポートにすぐ接続してください。
これらはすべて典型的なサポート詐欺の偽画面です。本物の Microsoft や Apple が、ブラウザで全画面警告と警告音を出すことはありません。
メールで届く「サポート詐欺型」も増えています
サポート詐欺は、パソコンの画面に突然出る警告だけではありません。「セキュリティ上の問題が起きたので、手続きしてください」というメールも、同じ分類で注意喚起されています。
以下は、実際にモニターアドレスへ着信し、迷惑メール相談センターが**「サポート詐欺」**として注意喚起した件名の実物です。下記に一致する、または酷似する件名のメールは、リンクを開かないでください。
| 件名(実物) | 確認日 |
|---|---|
| [セキュリティ重要告知]二段階認証プロトコルの更新手続きについて | 2026/9/9 |
| 【重要】[docomo.ne.jp]異常なサインイン検知に伴うアカウント保護のお案内 | 2026/9/7 |
出典:迷惑メール相談センター「要注意メール」(総務省委託・実際にモニターアドレスへ着信したメールの集計)
件名の時点で誤字があります
【重要】[docomo.ne.jp]異常なサインイン検知に伴うアカウント保護のお案内
「お案内」は「ご案内」の誤りです。 件名という、いちばん目に触れる場所で間違えています。
本物の企業が、件名の誤字に気づかないまま重要なお知らせを送ることはまずありません。件名を声に出して読んでみる――それだけで気づける種類のほころびです。
本文には英単語が混ざったままです
同じメールの本文には、次の一文があります。
お客様の個人情報およびデータのsafe管理のため、お手数ですが、以下の「アカウント安全確認ページ」よりご本人様確認を行い、必要に応じてパスワードの再設定をお願いいたします。
「データのsafe管理」 ――日本語の文中に、英単語がそのまま残っています。「安全」と書くべきところが置き換わっていません。
翻訳や自動生成の途中で置き換えそこねた痕跡とみられます。文章全体は流暢なので、急いで読むと気づきません。 ゆっくり読むことが、そのまま防御になります。
決定的な証拠:作成途中の指示文が残っていた例
2026年9月8日には、NTTドコモを装う「【重要】my docomo アカウントセキュリティ確認のお知らせ」という偽メールも確認されています。本文の末尾には、こう書かれていました。
※24時間以内に完了しないと、my docomoアカウントがロックされます。 ※本メールはトレーニング用です。実際のパスワード入力不要です。
「本メールはトレーニング用です」 ――文面を作った際の注意書きが、消されないまま送信されています。本物のドコモが会員に送るメールに、こんな一文が入ることはありません。
同じ種類の消し忘れは、アメリカン・エキスプレスを装う偽メール(「※本メールはテスト用途のサンプルです。実際の配信に使用する場合は、事前に社内法務・コンプライアンス部門の承認を得てください。」)でも確認されています。
日本語が自然でも、送信者は中身を読み返していません。 「文面が上手だから本物」という判断が、いまいちばん危ういところです。詳しくは「AIで詐欺メールはこう変わった」をご覧ください。
あなたのメールドメインが自動で差し込まれます
迷惑メール相談センターは、この型について次のように注記しています。
本文中のドメインは、仕様により受信者のドメインへ自動的に置き換えられます。ご注意ください。
つまり、同じ雛形が宛先に応じて姿を変えます。
| 受信者のアドレス | 本文の書き出し |
|---|---|
| docomo.ne.jp | 「docomo.ne.jpをご利用のお客様へ」 |
| ezweb.ne.jp | 「ezweb.ne.jp利用者各位」 |
| softbank.ne.jp | 「softbank.ne.jpをご利用のお客様へ」 |
自分の使っているキャリア名が書いてあることは、本物である証拠にはなりません。 あなたのアドレスを見て機械が入れているだけです。
差出人が「ezweb.ne.jpインシデント対応チーム」「docomo.ne.jpセキュリティチーム」となっているのも同じ理由です。メールアドレスのドメインは、部署の名前ではありません。
共通する要求は「期限つきでリンクを踏ませる」
2通に共通するのは、次の構造です。
※本手続きの期限は本メール到着後【48時間以内】となります。※期限を過ぎた場合、セキュリティ保持のためアカウントへの一時的なログイン制限が適用されます。(9月9日の型)
※24時間以内に完了しないと、my docomoアカウントがロックされます。(9月8日の型)
「時間制限+アカウント停止の脅し+リンク」――この3点セットが揃っていたら、内容を検討する必要はありません。
二段階認証やパスワードの設定は、メールのリンクからではなく、公式アプリまたは自分でブックマークした公式サイトから行う。 これで、この型はすべて無効になります。
サポート詐欺の典型的な手口
詐欺グループは、おもに3つのパターンで被害者を狙ってきます。
パターン1:偽警告画面で電話誘導
ニュースサイトやブログを閲覧中、突然全画面で警告画面が表示され、けたたましい警告音が鳴ります。「閉じることができない」「マウスが動かない」かのような演出で、不安を煽って表示された電話番号にかけさせます。
パターン2:遠隔操作ソフトのインストール
電話をかけると「サポート担当」が出て、「画面共有させてください」と TeamViewer や AnyDesk などの遠隔操作ソフトのインストールを指示します。これをインストールすると詐欺グループがパソコンを完全に操作できるようになります。
パターン3:高額サポート契約の押し売り
遠隔操作で「ウイルスを駆除しました」「ファイアウォールを修復しました」と演技し、「年間サポート契約」「セキュリティパッケージ」などの名目で数万〜数十万円のクレジットカード決済を要求します。 また、電子マネーやAmazonギフトカードの番号を要求するような場合もあります。
なぜ騙されてしまうのか
サポート詐欺に多くの人が引っかかってしまうのは、3つの心理的な仕組みが重なるためです。
ひとつめは恐怖。警告音と「重大な警告」という赤い文字が、パソコンに不慣れな人には本当の緊急事態に見えます。冷静な判断ができないまま電話してしまいます。
ふたつめは権威性。「Microsoft」「Apple」「Windows Defender」など信頼できるブランド名が表示されると、本物のサポートだと信じてしまいます。
みっつめは「自分には対処できない」という思い込み。パソコンに不慣れな人ほど、「専門家に任せた方が安全」と感じてしまい、サポート詐欺の罠にはまってしまいます。
危険サイン7つ(保存推奨)
以下に1つでも当てはまれば、サポート詐欺の可能性が極めて高いです。
- パソコン画面に全画面の警告が表示され、警告音が鳴る
- 「閉じることができない」かのような演出(実際は ESC や Alt+F4 で閉じられる)
- 「電話してください」と電話番号が大きく表示される
- 「ウイルス感染」「アカウント侵害」など危機を煽る言葉
- 「Microsoft 認定サポート」「Apple 公式サポート」を名乗る
- 遠隔操作ソフト(TeamViewer、AnyDesk、UltraViewer等)のインストールを求められる
- クレジットカード番号の入力を求められる
Microsoft や Apple は、ブラウザの警告画面を通じて電話を要求することは絶対にありません。
本物の Microsoft・Apple はこうしている
本物の Microsoft・Apple は、以下のような対応をします。
ひとつめ、警告は OS(Windows / Mac)自体の通知から表示されます。Web ブラウザの画面に全画面で警告を出すことはありません。
ふたつめ、サポートは公式サイト(microsoft.com、apple.com)からチャット・電話・メール窓口にアクセスします。検索エンジンの広告で出てくる「サポート番号」は偽の可能性が高いです。
みっつめ、本物のサポートはユーザーから電話することはあっても、向こうから電話するよう仕向けることはありません。ましてや遠隔操作でパソコンを触りに来ることもありません。
「Microsoft」「Apple」を名乗っても、画面の電話番号にはかけないこと。本物の Microsoft 公式サイトは microsoft.com です。
もし被害にあったら
「電話してしまった」「遠隔操作ソフトをインストールしてしまった」「クレジットカード番号を入力してしまった」――そんなときは、被害最小化のための初動が重要です。
即座にすべきこと
- パソコンの電源を切る(電源ボタン長押し、または電源ケーブルを抜く)
- 遠隔操作ソフトをアンインストール(次回起動時に)
- クレジットカード会社に連絡(カード停止と不正利用申告)
- 警察相談ダイヤル #9110
個人情報を入力してしまった場合
メール・SNS・銀行・各種サービスのパスワードを全て変更。二段階認証を有効化。クレジットカードは再発行。
パソコンが心配な場合
電器店のパソコンサポート、または信頼できる修理業者にパソコンを持ち込み、不正なソフトウェアの有無を確認してもらいます。「警告画面に出てきた業者」は絶対に使わないこと。
予防のためにできる3つのこと
ひとつめ、突然の警告画面は無視して、ブラウザを閉じる。ESC キー、Alt+F4(Windows)、Cmd+W(Mac)でブラウザを閉じられます。閉じられない場合は強制終了。落ち着いて対処すれば必ず閉じられます。
ふたつめ、Microsoft や Apple のサポートが必要な時は、公式サイト(microsoft.com、apple.com)からアクセスする習慣をつける。検索エンジンの広告には偽サポートが紛れていることがあります。
みっつめ、家族でルールを共有する。「パソコンの警告は無視して、まず家族に電話する」というルールを決めておけば、高齢のご家族が一人で詐欺電話をかける事態を防げます。
「これって詐欺?」で30秒チェック
実際に怪しい連絡があったら、無料の判定ツールで確認できます。
- 選択式で30秒チェック
- スクショアップロードで詳細判定
- 完全無料・登録不要
困ったときの相談窓口
- 警察相談ダイヤル #9110(平日8:30〜17:15・通話料有料)
- 消費者ホットライン 188(最寄りの消費生活センターへ)
- 金融庁 金融サービス利用者相談室(0570-016811)
緊急時は 110番(警察)または最寄りの警察署へ。
参考情報・公的情報源
本記事は以下の公的機関・公式情報源を参考に作成しています。最新情報や詳細は各機関の公式ページをご確認ください。
編集部
警察庁・国民生活センターの公表情報をもとに、最新の詐欺手口を発信しています。

